消費者 consumer 2004 9 1
今日(9月1日)の日本経済新聞には、
アメリカの景気について、このような記事があります。
「原油高、家計を細らす」
「消費は、原油高、金利上昇、減税効果一巡の三つの逆風を受けている。」
原油高は、ガソリン価格の上昇につながります。
車社会で、大型車が多いアメリカでは、
ガソリン価格の上昇は、実質的に増税と同じ効果となります。
金利の上昇も、消費を冷やします。
アメリカは、「借金文化」という消費文化があります。
ですから、金利の引き下げは、単純に消費を増やしますが、
金利の引き上げは、消費にとってマイナスになるでしょう。
減税については、低迷する消費を刺激するというもので、
寝ている人を、目覚まし時計で起したようなものでした。
目が覚めたら(消費者が)、どうするかということを考えておく必要がありました。
金利のゆるやかな上昇は、やむを得ないでしょう。
金融のモラル確立は、必要と考えられます。
金利の低下は、住宅ローンの借り換えで、
さらに借り入れを増やし、消費に回すという「錬金術」を作り出しました。
また、住宅バブルという状況を引き起こしました。
こうしてみると、やはり痛かったのは、原油高だったでしょう。
同じく、日本経済新聞には、このような記事があります。
「アメリカの個人消費の増加額に占めるエネルギー関連の割合は、
昨年10-12月期は3%。今年1-3月期と4-6月期は、10%を超える。
原油高は、消費余力をむしばんでいる。」
結果的には、原油高は、消費を冷やし、
インフレ懸念を招いたことで金利上昇をもたらしました。
さて、日本は、どうか。
日本は、都市部では電車が中心で、地方では車社会と言えます。
しかし、日本では、小型車が多く、
日本人は、原油高でも原油安でも、車の燃費を気にします。
原油高は、それほど、個人消費には影響しません。
金利の上昇は、日本人にとっては、プラスでしょう。
日本人は、貯金が好きです。
最近は、株式投資を始める人が増えましたが、
それでも、多くの人は、銀行に貯金する人が多いでしょう。
たとえば、サラリーマンで考えてみますと、
サラリーマンの所得は、給与所得と利子所得です。
給与所得は、リストラの関係で増えないとすれば、
ゼロ金利の関係で、利子所得がゼロに近いという現状を改善すべきです。
さらに、今後、団塊の世代が定年退職し、
年金生活者となることを考えると、利子所得は重要です。
こうした高齢者は、年金と貯金で生活していくことになります。
日本の場合は、利子所得が増える方向で政策を変更すべきです。